健康保険を使った施術はできるのか?鍼灸(はりきゅう)編

よく聞かれる質問のひとつに、「健康保険を使って施術はできますか」という質問があります。
鍼灸とマッサージで違いがあるので、別々にみていきます。

鍼灸の場合

・神経痛
・リウマチ
・頸腕症候群
・五十肩
・腰痛症
・頸椎捻挫後遺症

の6つと、これらに類似する慢性的な疾患が対象となります。

ですので、疲労回復や慰安などではなく、上記疾患の場合のみ適用されます。

厚生労働省で定められている内容は

「療養費の支給対象となる疾病は、慢性病であって医師による適当な治療手段のないものであり、主として神経痛・リウマチなどであって類症疾患については、これら疾病と同一範ちゅうと認められる疾病(頸腕症候群・五十肩・腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を主症とする疾患)に限り支給の対象とすること。」
厚生労働省webサイトより]

と記載されています。

医師の「同意書」が必要

健康保険を使って鍼灸治療を受けるには、医師の同意書が必要です。
まずは医療機関にかかっている必要があります。
1週間~1カ月ほど医師の治療を受けても改善がみられない場合、医師の同意書により鍼灸治療が保険適用で受けられます。
現在は同意書は6カ月※有効で、その後も継続しておこなう場合は都度同意書の発行が必要となります。

(※この期間は法改正によりその時々で変わっています。現在は6カ月ごと)

同じ疾患での医療機関の併用は不可

「医師による適当な治療手段のないもの」が対象であるので、同じ疾患で「医療機関での治療」と「保険での鍼灸治療」を並行しておこなうことはできません

例えばむちうちで整形外科に通っていて鍼灸治療に切り替えたけれど、シップや薬をもらいに医療機関にかかってしまった場合でも鍼灸治療は全額自己負担となりますので注意が必要です。

別の疾患で医療機関にかかるのは問題ありません。
ちなみにマッサージの場合はこのような縛りはなく、医療機関と並行して受けていただけます。

訪問も可能

・歩行困難
・安静を必要とする
・通所して治療を受けることが困難

などの場合、ご自宅や施設に鍼灸師が訪問しての施術が可能です。

この場合「往療料」といういわゆる交通費が施術費のほかにかかり、これは距離によって少し違いがあります。
2018.11.15現在では拠点(治療院のある場所)または前の訪問先から
4km以内(2,300円)
4km以上(2,700円)
の2パターンあります。
カッコ内の料金は保険適用前の料金ですので、1割ご負担の方だとそれぞれ230円 or 270円ということになります。

この料金は法改正による変更がかなりあるので、患者様のご負担料金もその時により変わることがあります。

施術費

◆初検料…1,610円~1,660円
◆施術料…1,540円~1,610円
◆施術報告書交付料…300円

がそれぞれかかります。
初回で3,000~3200円前後、1割ご負担の場合は300~320円前後となります。
2回目以降は1,540~1,610円ほど、1割ご負担の場合は150~160円前後となります。

これに出張の場合は上記往療料(交通費)がかかります。
出張での鍼灸治療は1回400円前後(1割負担の場合)となります。

また、障害者手帳(マル障)をお持ちの方などはより自己負担が少なく受けられる制度もあります。

保険治療を受けるために必要なもの

・医師の同意書
・健康保険証
・療養費支給申請書
・印鑑
・領収書

などが必要となります。

保険請求(療養費支給申請)は、保険者によって様式が違う場合もあるようなので、詳しくは加入している保険者にお問い合わせください。

保険者による作業のあと、おおよそ2~6か月後に自己負担金以外の分が指定口座に振り込まれます。

来院の場合は自費診療をおすすめしています

訪問の場合はマッサージと併用できる場合もあり、ご希望があれば対応可能です。
マッサージと併用することでより治療効果を感じていただけるかと思います。

来院の場合は当院では自費との併用となるため、総合的なご負担としてはあまり変わらないことや法律上の制限・手続きの煩雑さもあるため自費診療をおすすめしています。

自費診療であれば制限などもとくにないため、気になる症状に自由に施術をすることが可能です。
当院では、鍼灸治療はもちろん、指圧マッサージやアロママッサージなども含め時間制ですべて一律料金にておこなっておりますので、その日の体調に合わせてマンツーマンで落ち着いて施術を受けていただけます。
治療だけでなく癒されたい場合などにもおすすめです。


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