出張マッサージの「闇」

話題の「出張マッサージ」について

ここのところ、「出張マッサージ」という言葉を聞くことが増えましたね…
某俳優さんの件ですね。

このニュースをみたときに、もしかしたら望んでいない方向での話題が膨らむのではないかと懸念していたことが、やはり起きてしまったなというかんじです。
インターネット上では、それはそれは本当に色々な意見があることに大変心を痛めています…

しかしこういう機会なので、出張マッサージの「闇」についてや、それに関する色々を少し書きたいと思います。

<以下クリックでタイトルまで飛びます>
少し長くなりますので興味のあるところだけでもお読みいただければと思います。

無資格者の「マッサージ」は違法

法律的なお話をします。

法的には「マッサージ」という言葉は「業務独占」といって
マッサージという行為をあん摩マッサージ指圧師以外がすると違法となります。

ですので、資格を持っていない方が
「マッサージ師です」と名乗ること自体は違法ではないようですが、
「マッサージをする」ことは違法となります。

(詳しくは別記事をお読みください)

今回、ニュースなどで「出張マッサージに行った女性セラピスト」としか言われていませんので、正直この方の立場や資格の有無はわかりませんが
仮にこのセラピストの方があん摩マッサージ指圧師ではない場合、報道自体が間違っているということになります。
(「マッサージ師の女性」と報道されないところをみると違うのかなとは思いますが…)

とはいえ、「マッサージ的なケア」
俗にいう「リラクゼーション(整体、ボディケア、アロマトリートメントなど)」を出張でおこなう業者もたくさんあります。
その際でも、あくまで疲れた体のケアなどのための施術です。

インターネット上では
「夜間にそういう仕事してるんだから『そういうこと』も当然あるだろ」
みたいな書き込みも目にしますが、
『そういうこと』など一切ありません。
あると思っているのであれば、
それは大きな「勘違い」
もしくは「店のジャンル違い」
です。

あくまで「マッサージ」や「疲労回復のための施術」をしにご自宅やホテルのルームサービスとして伺うのです。
当然、男性の施術者も女性の施術者もいます。

「セラピスト」ってなんなのか?

今回の「女性セラピスト」という言葉ですが、セラピストとは具体的にはなんなのでしょうか。
このような場合の可能性としては2つ。

①資格等はなく「施術者」という意味で「セラピスト」と名乗っている

②あん摩マッサージ指圧師だけれども、会社として統一するために「セラピスト」と名乗っている

◆①の場合
上記別記事の「整体師」と同じことが言えますが、
1日研修を受けただけの人から、知識も豊富で何年もの経験を積んでいる人まで様々です。

「カイロプラクター」「アロマセラピスト」「リフレクソロジスト」などの民間資格保有者がこの中に含まれることもあります。

また、専門学校に通いながらまさに国家資格をとるために勉強中の学生ということも大いにあります。
(この業界は入学者の年齢は18歳~60代まで幅広いです。学業と仕事の両立を考えると夜勤が効率が良くこのような出張施術を在学中にしている人も結構います)

◆②の場合
国家資格保有者ではあるものの、無資格者も有資格者も会社として「セラピスト」とまとめて呼ぶ場合。
仕事内容がいわゆる「ボディケア」や「アロマトリートメント」など
「マッサージ」ではない場合は「マッサージ師」と名乗る必要もないからです。
(いわゆる「りら●る」などのリラクゼーション店もこのような方法をとっています)

このへんは興味のある方は求人サイトなどを見るとよりわかるかと思います。

そしてさらに下の話にも絡んできます。

「マッサージ」は保健所届出が必要なうえ、広告制限がめっちゃ厳しい

マッサージ業をするには保健所に届け出が必要です。
この際、施術所の床面積や換気、消毒設備などについて細かい規定があります。
実際に保健所の方もメジャー持って現地に見に来ます。

そして当然、届出の際に免許状の提出もあります。
この保健所届け出のマッサージ院として開業するとめっちゃ厳しい広告制限があります。

看板、新聞広告、屋外に置くビラ、屋外で配布するチラシ、施術所の外壁等に表記できるのは
平たく言うと以下の項目のみなんです。

・施術者の氏名
・業務(あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう)の種類
・施術所の名称、電話番号、所在場所の表示
・施術日、施術時間
・健康保険が使えること
その他
(小児鍼・予約の有無・出張施術の有無・駐車設備についてなど)

これ以外は書けないのです。

「施術者の技能、施術方法又は経歴」は広告には書いてはいけないとなっています。
なので料金とか、どんな手技が得意とか、「腰痛に!」とか書けないということです。

病院の広告看板もそうでうすが、淡白な看板ばかりだなーと思ったことありませんか?

こんなかんじの、よく見ますよね。
手抜きとか宣伝が下手とかではなく
書けることにめちゃくちゃ制限がある
のです…

「広告」の解釈については常に議論にはなりますが、同業者と話していて多くの施術者は
「不特定多数の目に触れる場所」では上記の制限がかかるという解釈が多いようです。
ですので院内のパンフレットなどはOKですし、今のところwebサイトについてはわりとみなさん自由に書いています。
とはいえ、webサイトすら規制対象になったら、他院との違いをどこで患者様が知ることができるのか…
もはや患者さんのためにならなすぎると思うのですが…

逆にいえば新聞広告や看板の広告で料金や具体的な症状などが書いてあるところは
保健所に届出のない業者(マッサージはできないところ)がほとんど
ということになります。

これについては長くなるので別記事にて改めて記載します。

そのへんの事情で有資格者だとしても「セラピスト」として活動させるお店もあります。
そのほうが広告制限がかからないからです。

マッサージ師からするとものすごく理不尽な法律ですよね…(;´・ω・)

出張マッサージの主な需要は?

◆とにかく自宅でリラックスして受けたい方

出かけるには着替えもメイクもしないといけない、
でも仕事の後や休日などは、何も気にせずただただリラックスしていたい…
施術後にそのまま寝てしまいたい
などの方には出張マッサージは楽ちんでリラックスできると好評です。

◆子どもが小さくてなかなか家をあけられない

産後の不調で施術を受けたいけれど、長時間預けられる人がいない、心配なので家で受けたい、という方にもご自宅への出張マッサージは大変好評です。

◆外出が困難

体調が悪い、けがや病気で外出が難しい方にも出張や訪問でのマッサージはとても需要があります。
鍼灸で言えばぎっくり腰で動けない方なんかにもご利用いただくこともあります。

◆ホテルへの出張

旅行、仕事の出張先などで高級ホテルやビジネルホテルに泊まった際にルームサービスとして出張マッサージを取り入れているホテルもあります。
ホテルに常駐しているマッサージ師がいる場合や、ご自宅への出張などと同様派遣される場合もあります。
旅先での疲れ、慣れない場所での仕事の疲れを癒すのにもよく利用されています。

ややこしい広告が多すぎる

ここまでの内容で、
こんな言い方をするのもなんだかとは思いますが、出張マッサージとは
わかりやすくいえば「健全な」マッサージであることはお分かりいただけたかと思います。

とはいえ、なんだか見分けのつかない店側の広告が多いのも事実です。

試しに「出張マッサージ」と検索をすると、なぜかアダルトな雰囲気の漂う広告がたくさんヒットします。
見るからにアダルトなものは完全に本来の「マッサージ」ではないところが悲しいところですね。

ややこしいというと、どちらかというと
「ちょっと期待させる系」のお店が、健全かのようにしているところが結構あるようです。

これは知人に聞いて知りましたが、
「一応」「形としては」「暗黙の了解」で
「『禁止』ということにしているだけだろう」
と思いこんでいる方もいるようです。

そもそも「そういう」サービス自体が「表面上そういう設定」なので、同じ要領だろうと考える、ということのようです。
(濁しているあたりは察してください)

もうそういわれてしまうと、じゃあどうしたら区別や見分けがつくんだと考えるとわけがわからなくなりますが、
建前上であれ「禁止」とされているうえに「相手の了承なく」というのはどう考えてもアウトとしか言えないと思います。

それはこのセラピストの方がどんな立場であってもです。
資格の有無や仕事内容に関係なく、嫌がることをするのはアウトですよね。

「特別なマッサージないの?」など聞いてくる方もいるようですが、ないといわれて引き下がってくれればまだ良いようで
中にはどうやら
「『健全なマッサージ』を依頼して本来ダメな中でもどこまでいけるかを試す」
というなんとも困った趣味をお持ちの方も中にはいるようです…

同業者として言わせていただきたいですが、
『そのような』ことを期待したり求めている方は
『そのような』業者さんに依頼をしてほしい
と心底思います。

「あわよくば」とは考えないでいただきたいです。

こっそり「ぬけがけ」してしまうセラピストの存在

「健全なお店です」「当店は風俗店ではありません」
と記載があるにもかかわらず、
「実際はちょっと『そういう』サービスをしてくれたよ」という報告があったり…
(どんなことかは知りませんが)

実際のところ
「店として許可はしていない」けれど、
「お金がもらえるならとこっそりOKしてしまう」というセラピストさんも稀にいたりするようです。

いくらお店側がきちんと対策をしていても
いくらその人以外がきちんと宣言通りの仕事をしていたとしても
そういうセラピストが一人出ると、
「あそこのお店はできた」みたいな話が広がったり
して、
真面目に働いているセラピストがトラブルに巻き込まれてしまうなんていうパターンもあるのではないかなと推測しています。

さらには
「そういうサービスをうたうと風営法などが絡むから健全ということにしている」
「ルール違反のセラピストいるのは知っているけど黙認している」なんていうお店も実際あったりするのかな、と思ったりもします。

ほとんどの方はそんな思い込みはしていないとしても、
こういう「ややこしい」が広がり
「もしかしたら危険な目に遭うかもしれない」という可能性がある以上
こちらとしては女性限定にするなど自衛せざるをえないのです。

私としては本来性別関係なく、自分の施術や技術を必要としてくれるのならばどなたにでも喜んで施術を提供したいのですが、
このような背景もあり当院のご自宅出張鍼灸マッサージは「女性か紹介ありの男性のみ」とさせていただいています。

需要と供給の不一致は誰も幸せにならない

「しっかり施術をしよう」と思っているマッサージ師やセラピストに対して
『そういう』下心を出してくる方を前にすると、施術者のメンタルは半端なくえぐられます。
具体的に直接何かをされなくても、結構立ち直るのに時間がかかったりします。
プライドを持って仕事をしている側としては、
まさかそんな下心をもって施術を受けられているなんて想像もしないからです。
今回の事件のセラピストさんはショックで退職されたようですしね。

そういう期待をして依頼された方も、なんだ、そういうサービスはないのか…とがっかりするかもしれませんよね。

反対に、「治療をしたい、しっかりと施術をしてほしい」と思っているのに、
マッサージは名ばかりの技術の伴わないお姉ちゃんがきてもそれはそれでがっかりしますよね?

ですので、もしも「そういう」サービスを期待しているのであれば、「そういう」お店に依頼していただけたらと思います。
逆にいえば「そういう」お店で「もっとちゃんとマッサージしてよ」といっても
「なにいってんだこいつ」ってなるかもしれません。
しっかりマッサージや治療をされたい場合は、その希望に合うお店・治療院にご依頼いただければと思います。

お寿司屋さんにパスタが食べたいといいませんよね。
古典の先生に数学教えてくれといいませんよね。

それと同じです。

求めているサービスを選んで依頼をしてくださいというだけの話です。

健全なお店とそうでないお店の見分け方

じゃあどうやって見分ければいいのか???

そこは正直私自身も自信がないのですが…
求人サイトやホームページを見るのが一番わかりやすいかなと思います。

★しっかり治療としてマッサージをしたい場合

◆求人
・「あん摩マッサージ指圧師」を募集している
・カイロプラクター、スポーツトレーナー、アロマセラピスト、リフレクソロジストなどなんらかの民間資格や技術を必要としている
・技術テストがおこなわれる旨の記載がある、定期的に研修が行われている様子がある

◆ホームページ
・施術者のフルネームが載っている
・資格や経歴などの記載で実績がある程度わかる
・保険診療ができる旨の記載がある

●あなたが男性の場合
「そういう」お店でなく、治療をしっかりしたい場合であれば、
「保険診療もできます」と書いているところであればまず間違いないと思います。
「マッサージ業」として保健所に届け出をしているということですし、有資格者は圧倒的に男性が多いからです。

●あなたが女性の場合
男性の場合と同じではありますが、心配ならばとりあえず女性施術者に来てもらえればある程度は安心ですよね。

それでもやはり力加減などの都合で男性施術者に来てもらいたい場合
・女性施術者の中でも「強圧でできる人」を指名する
・一度女性施術者に来てもらい、同じ会社から男性を派遣してもらう
・女性施術者から信頼できる男性施術者を紹介してもらう
・一度店舗に出向いて施術をしてもらい、信頼できる施術者に出張してもらう
などの方法もあるかなと思います。

反対にいうと、

◆求人
・スタッフがたくさんいるのに女性しかいない
・20~30代の女性しか募集していない

◆ホームページ
・やたらと胸元を強調した写真や施術着
・容姿重視のセラピスト情報

もしかしたら思い込みも入っているかもしれませんが…
上記はおそらく「グレーゾーン」ということもありえるお店かなと思っています。
セラピスト側として働くことを考えている方の参考にもなればと思います。

※「しっかり治療をしたい」という方のための見分け方としての参考を書いています。
あくまでお店の規約に則ってご利用ください。

ちなみに時間帯(夜間だから、など)や価格帯はあまりあてにならないと思います。
在宅時間などからいって夜間のほうが需要があるのは自然ですし、価格帯は高級店やクオリティ次第ではいくらでも幅がありますし、もともとアロマ系の価格帯は高めですので。
60分8000円を超えると怪しいなんて書いてあるサイトがありますが、そんなこといったら当院も怪しいことになってしまいます(;´Д`)笑

当院の出張マッサージ

当院では今回話題になった
ご自宅への出張鍼灸マッサージ(女性向け、男性は紹介で可)
のほかに、
出張オフィス鍼灸マッサージ(企業向け)
保険診療での訪問医療マッサージ(高齢者、障害をお持ちな外出困難な方向け)

もおこなっています。

気になることがあればお気軽にお問い合わせくださいね。